松下碩斗、38年ぶり静岡県勢V!高2歴代4位タイ10秒27でインターハイ制す
高校アスリートの頂点を決めるインターハイ、滋賀・平和堂HATOスタジアムで行われた男子100m決勝は、静岡2年の松下碩斗が圧巻の走りを見せた。記録は高2歴代4位タイとなる10秒27(+0.7)。静岡県勢として、後にオリンピアンとなる杉本龍勇(浜松北)以来、実に38年ぶりの優勝という歴史的な瞬間を創り出した。
異例のナイター決戦となった舞台で、松下が輝きを放ったのはスタート直後だ。0.128秒の驚異的なリアクションタイムで一気に加速すると、中盤でライバルたちをぐんぐん引き離す。しなやかで伸びやかなストライドが光ったフィニッシュ直後、本人も「周りが見えなかったのですが、トルソー(胴体)を出した時に『勝ったのかな?』と思いました」と振り返るほどの完璧なレース運びだった。この10秒27は、栁田大輝(現・Honda)に並ぶ高2歴代4位タイ、高校歴代でも12位タイにランクインする快記録だ。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 前日の予選は10秒43(+0.9)で1着通過。迎えた準決勝では、10秒25をマークした佐藤快衛(西武文理3年)に敗れたものの、自己新の10秒32で2着に入り決勝進出を決めた。「アップから調子が良くて、自分の走りをすることだけ意識しました」と松下。着実に状態を上げてきた。
実は城内中学校時代、全中200mは予選落ちを経験。しかし150mでU16大会に優勝すると、昨年は100mで10秒35、200mで21秒07を叩き出し、いずれも高1歴代2位にランクインするまでに成長した。前回のインターハイ100mはタイムレース決勝で11位に終わったが、秋に覚醒。国民スポーツ大会では少年B100mを制し、同じ静岡のレジェンド・飯塚翔太(ミズノ)から「すごくおもしろい選手が現れた。楽しみ」と評される逸材へと変貌を遂げた。その後、日本陸連ダイヤモンドアスリートNextageにも選出されている。
今季は3月に米国遠征で経験を積み、「本数をこなせるように」と補強と身体作りに注力。4月には左脚の付け根を痛めたが、焦らず調整を続け、静岡県大会で100mと200mの2冠、東海大会でも100mを制した。前回王者で10秒00の高校記録保持者・清水空跳(星稜3年)と、前回2位で10秒16を持つ菅野翔唯(東農大二3年)がU20世界選手権で米国へ渡った中、存在感を遺憾なく発揮。「自己新の10秒2台を出せてうれしいですが、それ以上に素晴らしい選手たちと走れて、競り勝てたことがうれしい」と松下は笑顔を見せた。
38年ぶりの県勢Vを達成し、杉本龍勇が200mと2冠を果たした歴史にも触れつつ、「200mも決勝進出を目標に楽しみたいです」と早くも次の目標を掲げる夏の最速高校生。その走りからは、まだまだ伸びしろしか感じさせない。高校陸上界に新たな風を巻き起こす松下碩斗の挑戦は、まだ始まったばかりだ。
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