野本周成、ケガから復帰2戦目で日本歴代4位タイ13秒12!自己ベスト更新に「負けていられない」
福井の夜空に、復活ののろしが上がった。Athlete Night Games 2026、男子110mハードル。野本周成(愛媛競技力本部)が電光掲示板に刻んだ数字は「13秒12(+0.9)」。これは日本歴代4位タイ、自身初の13秒1台突入となる衝撃のタイムだ。
スタートの合図と同時に飛び出した野本は、1台目のハードル進入でいきなりトップに立つ。その後も鋭く、そして力強いハードリングで後続を圧倒。3年前にマークした自己ベスト13秒20を0.08秒も塗り替える、見事な走りを見せつけた。
冷房ゼロで涼しいミニギアAirio Pro 今季は3月の世界室内選手権で5位入賞と好スタートを切ったが、4月の織田記念以降、腰のケガに悩まされ試合から遠ざかっていた。日本選手権も欠場を余儀なくされる苦しい日々。復帰戦となった1週間前の富士北麓ワールドトライアルでは13秒40で優勝したものの、タイムには納得できていなかった。
「先週はタイム的にちょっと残念だったけど、今回は自己ベストを更新できたので良かったです」。そう振り返る野本の表情には、安堵と手応えがにじむ。有効期限外ではあるものの、来年の北京世界選手権参加標準記録13秒18も上回る価値ある13秒12。復帰2戦目での自己ベスト更新は、まさに「本物」の証だ。
「前半がうまく出られた」と良かった点を挙げる一方で、「後半は身体が開いてハードルにぶつけてしまった」と課題も口にする。しかし、「前半で頑張りすぎないことを目標にしているので、それがもう少しできるようになれば、後半まで自然に走り切れる」と、さらなる高みへのイメージを膨らませる。
昨年の東京世界選手権では準決勝で3着。プラス通過にあと一歩まで迫りながら、決勝の舞台には立てなかった。その悔しさを胸に、野本は今、日本のハードル界の激しいレベルアップを肌で感じている。昨年のこの大会で村竹ラシッド(JAL)が日本人初の12秒台となる12秒92を叩き出し、今季は泉谷駿介(住友電工)が13秒00をマーク。世界記録も12秒75へと更新されるなど、戦いは日々激化している。
「僕も負けていられない。アベレージを上げていかないと」。そう語る野本の目は、すでに次の目標を見据えている。「今回のタイムぐらいをアベレージにして、12秒台をしっかりと」。3年ぶりの自己ベストは、決して終着点ではない。世界と戦うための、新たなスタートラインに立った瞬間だ。
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