骨折で握力30キロ減…それでも石田雄星が甲子園で放った2安打の重み
骨折の痛みを抱えながら、それでも聖地でバットを振り抜いた。健大高崎の主将・石田雄星外野手(3年)が、第108回全国高校野球選手権1回戦の八幡商戦で2安打を放ち、チームを7-1の快勝に導いた。
「去年は初戦敗退してしまった分、勝ち切ることができて、うれしい気持ちでいっぱいです」
エアコンなしで部屋を涼しくするならこの一台Airio Pro 試合後、石田はそう語り、何度も味わった甲子園の中でも格別の喜びだと強調した。初回1死からチーム初安打となる右前打を放ち、ベンチの緊張を一気にほぐす。2回には絶妙なバント安打で出塁。4度目の甲子園出場とは思えない落ち着きが、グラウンドに漂っていた。
しかし、その裏には壮絶な苦闘があった。今夏の群馬大会を目前に控えた6月、右有鈎骨を骨折。プロも注目する右投げ左打ちの巧打者は、右手の握力が77.5キロから47キロへと激減した。
「焦りはありました。でも、仲間から『俺たちが勝ち上がっていくから、お前はゆっくり怪我を治して戻ってこい』と言ってもらえたんです」
その言葉が石田の心を軽くした。それまで「自分がやらないと」と一人で背負い込みすぎていた主将は、初めてチームメートに頼ることを覚えたという。リハビリではテニスボールを使いながら握力回復に努め、同時に打撃フォームも見直した。右手に頼りがちだったスタイルを改め、左手で押し込む新打法に着手。「木製バットに対応するためには左手を使わないといけない」と、高いレベルを見据えた意識改革だった。
スタメンに復帰したのは東農大二との群馬大会準々決勝。そこからチームを引っ張り、春は逃した甲子園切符を再びつかみ取った。
「試合の後半になると、だんだん握力が衰えてくる」という石田は、この日も後半2打席で鋭い打球を放ちながらも凡退。「自分のゾーンで打てればもっと率を残せる。きょうは2安打しか打てなかった。もうちょっと自分の中ではいけた」と貪欲な姿勢を崩さない。
祖父の石田真さんは1972年ドラフト1位で阪急に入団した右腕。石田は「祖父がプロ野球選手だったのは小さい時から聞いていて、自分もずっと目指していた。おじいちゃんと同じ景色を見たい」と、プロ入りへの思いを口にする。まずは大学進学を見据え「東都を考えている。そのためにもフォームを定着させたい」と先を見据えた。
昨夏は初戦敗退。夏の甲子園では最高でもベスト8だが、今夏の目標はもちろん頂点だ。「経験値としては自分が一番大きい。きょう甲子園に入る前に全員に共有できたので、それが結果につながった」と石田。スタンドで見守った父・功さんも「背負っているものがあるのでプレッシャーはあると思うけど、いいプレーができている」と息子の成長を喜んだ。
骨折で握力30キロ減のハンデを乗り越え、それでも主将としてチームを勝利に導いた石田雄星。日本一への力強い進撃は、まだ始まったばかりだ。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro
今、あなたにオススメ