村上宗隆27号!3年連続100敗の“弱小”ホワイトソックスを変えた男
ホワイトソックスが止まらない。敵地デトロイトでのタイガース戦を制し、今季成績を63勝58敗としてア・リーグ中地区の頂点に立った。何より目を引くのは、この試合で27号アーチをかけた“ルーキー”村上宗隆の存在だ。
過去3年連続で100敗以上を喫してきたチームが、まさか地区首位争いをするなんて――。地元シカゴのファンからは「ジョークにしかならなかったチームが、まさかの真剣勝負を続けている」「これが本来の姿」と驚きと喜びの声が相次いでいる。その中心にいるのが、太平洋を渡ってきた26歳の若武者だ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 就任2年目のウィル・ベナブル監督は、村上がチームにもたらした影響力をこう語る。「ムニー(村上の愛称)は最高のインパクトを与えてくれている。ムニー本人も最高な人物。入団したその日から、チームにとってとても特別で意味ある存在となっている」。
指揮官が特に評価するのは、村上のコミュニケーション能力だ。スプリングトレーニングの頃から、内野ノック中に積極的にチームメートと交流する姿があったという。「ムニーが積極的にマイドロスとコミュニケーションを取る姿を見かけたんだ。すると、次はバルガス、アントナッチと次々と輪が広がっていった。言葉の壁は多少あったかもしれないが、ムニーはその壁をぶち壊して、チームメート一人ひとりと交流を図るように努めていた」。その結果、チームメートは喜んで彼を仲間として迎え入れ、開幕から続くパフォーマンスは「アメージングの一言」だと絶賛する。
村上の適応力はプレースタイルにも現れている。日本で培ったトレーニングルーティンを決して手抜きせずに貫く一方で、チームから新しいアプローチを提案された時にはしっかり耳を傾け、良いと思ったことは積極的に取り入れるという。「ムニーはこのバランスが非常によく取れている」と指揮官は称える。
左太もも裏の負傷から復帰した7月10日以降、連続出塁を続けてきた村上だったが、その記録は8月13日に「27」で途絶えた。だが、シーズン最終盤の正念場でこそ、村上の経験が生きるとベナブル監督は確信する。「ここから直面する優勝争いやプレーオフ進出争いといったプレッシャーのかかる場面を経験した若手選手は少ない。だからこそ、日本一の経験やWBCを戦い抜いた経験を持つムニーの存在は大きい」。
指揮官は続ける。「一番大事なのは、しっかり腰を据えて状況を客観視し、慌てずに自分のやるべきことに集中すること。力みすぎず、いかに肩の力を抜いて試合に臨めるか。それはムニーが今、毎日していることで、その姿こそが若手選手の手本になっている」。
3年連続100敗以上のチームが地区優勝なんて漫画のような話――だが、村上はヤクルト時代の2021年に2年連続最下位からの劇的な優勝を経験している。焦ることなく、自分たちの力を信じて戦い抜くことの大切さを体現してきた男が、今度はシカゴの地で奇跡を起こそうとしている。残りシーズン、ホワイトソックスがどんな底力を見せるのか。村上の一打一打から目が離せない。
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