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トランプ大統領が主役を奪ったW杯 スペイン優勝も後味悪い

公開 2026年7月23日
トランプ大統領が主役を奪ったW杯 スペイン優勝も後味悪い

2026年北中米W杯がスペインの2度目の優勝で幕を閉じた。しかし、この大会を語る時、ピッチ上の熱戦の記憶よりも先に、ある強烈な違和感がよぎる。それは、ドナルド・トランプ大統領が文字通り「主役の座を奪った」大会となったことだ。

表彰式で優勝トロフィーを手渡した後も壇上に居座り、強引にトロフィーリフトに参加。試合前には共催国3カ国のうちアメリカ国歌だけが流れ、ハーフタイムショーの影響でインターバルはルール違反の27分間にも及んだ。退場処分を受けたアメリカ選手の出場停止が、トランプ大統領の介入でFIFA会長を通じて猶予されるという前代未聞の事態も発生。競技規則すら「何でもあり」の状態に、世界中のファンがドン引きした。

大会を覆った過度な商業主義も見逃せない。空調が効いた会場でもハイドレーションブレイクが義務化されたのは、選手のためではなくCMを入れるためだと見なされた。150年以上続いた前後半制は突然クォーター制に変更され、チケット代は高騰。一般ファンがスタジアムに足を運ぶのは困難になった。

疑惑を呼んだのはアルゼンチンへの対応だ。準決勝後に政治的横断幕を掲げたアルゼンチンに対し、FIFAの処分を待たずにアメリカ政府が「表現の自由」を盾に擁護する異例の声明。MLSを牽引するメッシの人気や、ミレイ大統領とトランプ大統領の蜜月関係も、アルゼンチン連覇への便宜を疑わせた。決勝では延長戦の末にスペインが勝利し、トランプ大統領の望んだ結果にはならなかったが、大会全体に漂う「何でもあり」の空気は最後まで消えなかった。

さらに、大会中もアメリカによるイラン攻撃は続いており、政治とサッカーが完全にリンクした異様な空気が漂った。決勝前、トム・クルーズが「この大会が世界を一つにした」とスピーチしたことは、悪い冗談にしか聞こえなかった。トランプ大統領に贈られた「FIFA平和賞」の意味も不明瞭だ。

もちろんピッチ内のクオリティは高かった。日本代表の戦いぶりは素晴らしく、カーボベルデなど新興国の躍進も華を添えた。決勝トーナメントは見応えのある試合が続き、スター選手たちも期待に応えた。だからこそ、ピッチの外で見え隠れした「汚点」が悔やまれてならない。商業的成功だけが大会の価値ではない。選手が主役であり、サッカーが純粋に楽しめる大会でなければ、W杯の未来は危ういと言わざるを得ない。

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