天理の“クーリングタイム”戦略が炸裂!6回一挙4点で逆転8強
夏の甲子園、天理(奈良)がまたしても“ラッキー・シックス”を炸裂させた。第108回全国高校野球選手権大会3回戦、天理は高川学園(山口)と対戦。5回終了時点で0-3の劣勢に立たされていたが、その後の10分間で全てが変わった。
試合の流れを変えたのは、熱中症対策として導入されているクーリングタイムだ。天理の藤原忠理監督はこの中断時間を最大限に活用。選手たちに「3点差はワンチャンスだ。絶対にビッグイニングをつくれる」と檄を飛ばし、攻撃の準備を整えた。その言葉通り、クーリングタイム明けの6回表、先頭の永井仁之丞外野手が安打で出塁すると、4番・金本相有内野手には「送りバントはさせない、打てよ」と強攻を指示。金本が左前打で続き、打線がつながった。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 高川学園のエース・木下瑛二投手はここまで粘りの投球を見せていたが、3連打で1点を返され、なお無死満塁の大ピンチ。ここで降板を余儀なくされた。しかし、リリーフの宮崎隆成投手も制球が定まらず、押し出し四球、押し出し死球、そして中犠飛で天理が一気に逆転。わずか1イニングで4点を奪い、試合をひっくり返した。
この采配に、高川学園の松本祐一郎監督も「クーリングタイム後の6回、わざわざ先攻を取っていた天理高校さんが、変わり目のチャンスを逃さなかった。何枚も上手だった」と脱帽。「経験値の高い天理さんは一瞬の隙を逃さず、集中力としぶとさを発揮された。私も子どもたちと一緒に教訓にして、今後に生かしたい」と悔しさをにじませた。
天理がこの試合で先攻を選んだのは、クーリングタイム直後に攻撃ができることを重視してのこと。藤原監督は「勝っていれば落ち着かせることができますし、負けていれば作戦を立て直せる。大いに活用しています」と語る。実際、今大会初戦でも相手が後攻を選んだため先攻となり、やはり6回に4得点。奈良県大会決勝でも同様のパターンで勝利しており、まさに“先攻が合っている”という言葉を証明している。
守備面でもクーリングタイムは効果を発揮した。初回と5回に二盗を許し失点につながっていた天理は、この中断時間にバッテリーへ具体的な指示を送った。長尾亮太投手には「セットポジションで長くボールを持て」、小沢典弘捕手には「二塁送球で腕を振れ」と修正。その結果、7回には二盗を阻止し、流れを完全に引き寄せた。
試合は6-3で天理が勝利。8強入りを決めたナインは、わずか10分間の過ごし方で明暗を分けたこの日の戦いを、次のステージでも生かすつもりだ。藤原監督の巧みなマネジメントと選手たちの集中力が生んだ逆転劇。甲子園の歴史にまた一つ、新しい戦略が刻まれた。
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