陽岱鋼が語る引退の真実「台湾代表の誇り」と後輩たちへの熱きメッセージ
プロ21年目のシーズンを戦い、27日に突如として現役引退を表明したオイシックス新潟・陽岱鋼外野手。日本ハム、巨人、そして米国での経験を経て、今なお日台の野球ファンを魅了し続けるレジェンドが、その胸の内を明かした。
「海外で野球をやる上で1番大事なのは、その国の言葉を覚えること」。陽はそう断言する。現在、パ・リーグには11人の台湾人選手が所属し、母国から日本へ挑む流れは加速している。先駆者としての信念は揺るがない。「周りとどんな会話をしているのか、自分からコミュニケーションを取ろうとする姿勢がないといけない。僕もアメリカへ行った時に痛感しました。英語が上手くなくても、一生懸命チームメイトと会話しようとすれば、向こうも『こいつ一生懸命やっているな』と認めて教えてくれます。それが1つのチームになるということ」。後輩たちにまず求めるのは、日本語習得だ。「選手同士が直接言葉を交わすことで『戦友』として戦えるようになる。それが仲間として大事なことだと思います」。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon この3年間、ファームの公式戦では日本ハムの孫易磊投手ら同郷の若手と対戦。打席から見た後輩の成長に、確かな手応えを感じている。「孫投手は年々体が大きくなっていますし、『絶対に日本で活躍してやるぞ』という覚悟や姿勢が見えてきました。去年対戦して、今年また彼を見て、『自分の進むべき方向がしっかり決まっているんだな』という雰囲気を感じましたね」。
陽といえば、2013年のWBCなどで見せた気迫あふれるプレーが今も語り草だ。彼にとって「台湾代表のユニホーム」は特別な重みを持つ。「台湾代表に限らず、ファイターズ、ジャイアンツ、アメリカのチーム、そして今のオイシックスもそうですが、ユニホームを着る以上は大きな責任感と使命感があります。このブランドを背負って戦っているんだから、下手なことはできないぞ、と。ただ、台湾代表の時は僕1人で戦っているわけじゃなく、『台湾全体が一緒に戦っている』という感覚がありました。勝てばみんなが喜んでくれて、負ければみんなが悔しがってくれる。それが1つのチームなんですよね」。
近年、国際大会で目覚ましい躍進を見せる台湾代表。その原動力について、陽は独自の視点で分析する。「選手の能力が上がり、一生懸命努力して成長しているのはもちろんですが、僕が1番感じるのは『裏方』の力がすごく出てきたなということです。スカウティング、データアナリスト、トレーナーといった方々がしっかりサポートしてくれる体制ができている。チームが強くなるには、選手だけじゃなく、裏方も一体となることが絶対に必要なんです」。
異国の地で苦闘した若き日々から、現在の台湾球界の躍進を支える組織力への感謝まで。陽の言葉の端々には、野球というスポーツへの深い敬意と、関わるすべての人への愛情が溢れていた。最後に新潟の地で見せた背中と、後進の光となり続けた「日台の架け橋」としての誇り。彼がグラウンドに残した情熱と数々の言葉は、これからも日台の野球ファンの胸に深く生き続ける。
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