元楽天・森田丈武が少年野球に注入する「3分以内ミーティング」の真髄
「ミーティングは3分以内で終わらせます。長いと子どもたちは飽きる。集中力が持たないんですよ」
そう語るのは、元楽天内野手で現在は茨城県つくば市で野球塾「JOBU BASEBALL ACADEMY」を運営し、硬式野球チーム「つくばポニー」の監督を務める森田丈武さん。現役時代の登録名は「丈武」、2008年育成ドラフト1位で楽天に入団した男は、野村克也監督のもとで「ID野球の申し子」と呼ばれるまでに成長した。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon だが、プロで身につけた長時間ミーティングのスタイルを、そのまま小・中学生に持ち込むことはない。「15〜20分とかやって、頭に入るはずがない。もっと長い時間、ミーティングしているチームもあるようですけど、子どもには厳しい」。重要なことだけを毎週少しずつ、頭に入るまで繰り返し伝える。これが森田流だ。
ミーティングではこんな言葉も飛び出す。「一流は一度ミスったことはほぼしない。二流は同じ失敗を繰り返す。三流は全く話を聞いていない」。野村監督さながらのフレーズで子どもたちの心にズバリ刺す。さらに「全部じゃなくていいから、胸に刺さったことや、心に残ったことをノートに書かせています」と、理解を深める工夫も欠かさない。
ミーティングを短く切る代わりに、練習や試合中の即時指導が生きる。「試合後にミーティングしても、子どもはどんなプレーだったか忘れている」。だから守備でミスをしたら、ベンチに戻ってきたその瞬間に「今のはこうすればよかった」と声をかける。素早いフィードバックで、何が必要かを体感させるのだ。
練習メニューも毎回変える。「子どもはすぐに飽きてしまいますから」。飽きさせず、集中を切らさないための工夫が随所に光る。
さらに森田さんが特に力を入れるのは「心」の指導だ。自宅に隣接するグラウンドは元々畑だった場所を整備したもので、雑草が生えている箇所もある。イレギュラーバウンドの原因にもなるため「足元に草が生えていたら『抜けよ』と言うこともあります」。一度で伝わらなければ、毎週繰り返し粘り強く指導する。
驚いたのは、グラウンドに落ちているボールをまたいでいく選手がいること。「なぜ拾わないのか。家でも片付けができていないんじゃないのか」と危惧し、挨拶や生活面の指導も徹底する。
「子どもたちには『心・技・体』じゃなく『心・体・技』だという教え方をしています。一番大事なのは心。挨拶だけじゃなく、感謝の気持ちや気遣いができるようになってほしい。それができないと体は強くならない。体が鍛えられないと技術は伸びません」
子どものうちにこそ「心」を育てる。ID野球で鍛えられた男が、次世代に託すのは、単なる技術論ではない、人としての土台だった。
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