屈辱の防御率189.00…オリックス齋藤響介、1軍返り咲きへ魂の再始動
防御率「189.00」。オリックス・齋藤響介の2026年シーズン1軍成績に刻まれた、衝撃的な数字。2年ぶりに掴んだマウンドは、わずか1/3回で幕を閉じた。
7月22日のソフトバンク戦(みずほPayPayドーム)。8点ビハインドの4回にリリーフ登板した右腕は、先頭・山本恵大から3連打を浴びて2失点。さらに1死二塁からは5連続長短打を許し、打者9人に34球、8安打7失点というほろ苦い結果で降板した。翌日には2軍降格となり、1軍滞在はわずか3日間。前半戦終了時点での成績は「1試合登板、0勝0敗、防御率189.00」だけが残った。
寝苦しい夜が、これひとつで快適にAirio Pro 今季は昨年負傷した右肘の状態を見ながら調整を続け、2軍で11試合に登板して4勝0敗、防御率1.94の好成績を残しての1軍昇格だっただけに、その悔しさはひとしおだ。だが、齋藤は悲観していない。「やっぱり1軍の舞台だと、真っすぐをゾーンに入れにいったら、一発で捉えられる。昨年を考えれば一歩は進めているので、負けずに頑張っていきたい」と、リベンジの炎を燃やす。
降板後、岸田護監督とマンツーマンで話す機会があった。両者の意見は一致していたという。「監督などとも色々お話ししたのですが、やっぱり意見は一緒でした。ゾーン内にポンポン投げている感じで、全力で投げていないわけではないですが、枠内にマックスの力で投げ切れていない感じだったんです」。制球を重視するあまり、無意識に出力を抑えていたことに気づかされた。
抹消後、球団施設のある舞洲に戻り、齋藤は「枠内にマックスで投げ切るためのトレーニング」を開始。このままでは1軍の打者には通用しないと、覚悟を決めた表情で練習に打ち込む姿を、平井正史2軍投手コーチも温かく見守る。「あれだけバカバカ打たれて、もっと落ち込んでいるのかなとは思っていたけれど、そういうのもなかった。メカニック的なことも自分でしっかり分かっている。本人的にも、腕は振れているんだけど、まだゾーンの枠にいくか、いかないか分からないというところのリミッターがかかっている状態なんだよ」。
盛岡中央高から2022年ドラフト3位で入団した齋藤は、2024年に初勝利を含む2勝を挙げ、山本由伸(現ドジャース)から“ネクストブレーク候補”に指名された逸材。150キロ超の直球と切れ味鋭いスライダーが武器の21歳は、平井コーチの期待も大きい。「デビューから見たらやっぱり期待するよ。でも、あの時はポテンシャルだけでやっていた部分もある。響介の尻を叩きながら、頑張らせなきゃいけない」
そして8月4日、齋藤は杉本商事BSで行われたファーム・オイシックス戦に先発。6回途中7安打6失点と結果は残せなかったが、3回までは無安打5奪三振の完全投球を見せた。「前半の3イニングは、意識していた下半身をうまく使えた感じがありました。『まっすぐを強く』というテーマでやっていて、少し後半はスピードも落ちてきてしまったので、次はそこをちょっとずつ伸ばしていきたい」と手応えを口にする。
平井コーチは「どれだけ四球を出してもいい。すぐバテてもいいから、マックスで行ってこいっていう感じで行かせた」と意図を説明。「3回でバテちゃったから、問題はそこなんだよ」とスタミナ面を指摘しつつも、背番号「26」が理想の直球を取り戻しつつあることを確信している。
「気持ちの面はもう、前よりも『頑張るぞ!』っていう思いが強くなっています。あとは結果もついてきてくれれば。課題を克服して、1軍でやり返すチャンスを掴み取りたいです」。屈辱の「189.00」は、這い上がるためのスタートライン。心身ともに成長した時、21歳右腕の逆襲が京セラドームで始まる。
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