音なき戦い、デフラグビー日本代表“クワイエットタイフーン”が熊谷&秩父宮で熱闘
聴覚に障害のある選手たちが繰り広げる「デフラグビー」。その日本代表スコッド“クワイエットタイフーン”が、今秋に東京都内で開催される「第3回ワールドデフセブンズ」を前に、熊谷と秩父宮の聖地で熱い戦いを見せた。
6月21日、熊谷ラグビー場で行われた太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2026の合間。ブレイクタイムに組まれたのは、立正大との7分一本勝負だ。本戦前に隣接グラウンドで3本の試合をこなし、互角の戦いを演じてきたが、いざ本格的なスタジアムに立つと状況は一変。タイトなスケジュールと慣れない大舞台の緊張からか、ラストパスが通らず0-14の完封負けを喫した。選手たちは「実力を発揮する難しさを痛感した」と唇を噛んだ。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 続く7月12日、秩父宮ラグビー場でのジャパンセブンズ。この日は2002年4月以来となるエキシビションマッチとして、長年デフラグビーを支える「くるみクラブ」と7分ハーフの試合に臨んだ。先制を許したものの、岸野主将やマンオブザマッチに輝いたSH岡村らの奮闘で互角の展開に持ち込む。HB小林(近大OB)が見事なオフロードパスを通し、難しい角度のコンバージョンも成功。しかし試合終了直前にトライを奪われ、21-28で惜敗した。
勝利には届かなかったが、この2試合で大きな収穫があった。それは「サイレントラグビー」の魅力を存分にアピールできたことだ。ホイッスルを使わずに行うサイレントレフリングや、観客が手話や旗を使って応援する「サインエール」。秩父宮のメインスタンドでは、声ではなく“視える”形で思いを届ける観衆の姿が印象的だった。昨年のデフリンピックでも見られたこの応援スタイルは、誰もが楽しめるラグビーの新たな観戦文化として、確実に浸透しつつある。
また、立正大戦のノーサイド後には、山邉レフリー(明治学院大)が手話で終了の挨拶を伝えるシーンも。彼はデフラグビーとの出会いをきっかけに手話を習い始めたという。試合後には、2002年にニュージーランドで掲げられたバナーに新たなメッセージを加え、出場メンバー&スタッフ全員で記念撮影。世界大会への決意を新たにした。
今後の予定は、セブンズ大会へのエントリーや強化合宿が目白押し。本大会は10月31日・11月2日(予選)、11月3日(決勝トーナメント)の日程で行われる。音のないフィールドで、彼らがどこまで成長し、どんな感動を届けてくれるのか。期待せずにはいられない。
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