伊藤鐘史コーチが語るモール防御改革、網走合宿で「ヒットファースト」徹底
ラグビー日本代表が、夏の強化試合で露呈した課題に本格的に取り組んでいる。7月25日から始まった網走合宿では、モール防御の徹底的な見直しが行われている。
きっかけは7月18日の東京・国立競技場で行われたネーションズチャンピオンシップ第3戦、フランス代表戦だ。日本は15-42で敗れ、相手に与えた6トライのうち5本がラインアウトからのモールによるものだった。守備の要である伊藤鐘史アシスタントコーチは「嫌なところを攻められた、すれ違いを食らったというか…」と振り返る。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon 伊藤ACは2015年までの4年間、エディー・ジョーンズヘッドコーチが率いるジャパンの選手として活躍。2025年から、約9年ぶりに復帰したジョーンズのもとでコーチを務めている。
実は、このフランス戦以前の試合ではモール防御は機能していた。11日のアイルランド代表戦(20-36で敗戦)では、LOのワーナー・ディアンズ、ハリー・ホッキングスという2メートルコンビと、読みの鋭い万能FWジャック・コーネルセンが空中でプレッシャーをかけ、ラインアウト防御で成果を挙げた。また、それまでの2戦ではモール防御でも首尾よく対抗できていた。しかしフランス代表は違った。
「イタリア、アイルランドにはがっぷりといい勝負ができましたが、(フランス代表には)うまくすかわされたし、徹底的にモールで来られた。こちらは(向こうが)こだわってきたことへの対抗力がなかった。反省していきたいです。うまくいっていても、兜の緒を締め続けないと」と伊藤ACは語る。
網走合宿では、モール対策に割く時間を増やし、キーワードは「ヒットファースト。腿にヒットしよう」だ。相手が着地した瞬間に鋭く刺さるのはもちろん、空中でのスティールを狙った場合も、降り立つやすぐに絡むことを意識。素早く低い姿勢になり、モールの隙間に首を入れる練習を繰り返している。
「(上空で)コンテストした後にいかに低くなってディフェンスに入るかを(意識して)やっています。反応とスピードでいかに(進路の)蓋をしていくか(が鍵)」と伊藤AC。
さらに、メディシンボールと呼ばれるバスケットボールよりもひと回り以上大きく重い球を奪い合うセッションも実施。思うような形で守れなかった場合でも、とっさの判断で対応できるようにするためだ。「(一般的にモール防御を仕掛ける)4人がドーンと(一斉に)頭を入れていくわけではないから、絶対に(塊が)傾く。そのなかでどう(それぞれで穴場を)カバーできるか(を試す)」と説明する。
日本代表は8月にオーストラリア代表との2連戦を控える。オーストラリアはモールを多用する傾向にはないが、伊藤ACは「ただあの試合(フランス代表戦)を見たうえでジャパンと戦うなら、(モールが弱点だと思って)仕掛けてくる」と警戒を緩めない。すべてのケースを想定した準備で、ワラビーズを迎え撃つ。
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