推しの曲で気合注入!佐野日大エース鈴木有が乃木坂46パワーで25年ぶり白星
甲子園のマウンドで、静かなエースが感情を爆発させた。第108回全国高校野球選手権大会2日目、佐野日大(栃木)が聖隷クリストファー(静岡)を1-0で下し、実に25年ぶりの夏の甲子園勝利を飾った。その立役者が、エース・鈴木有投手(3年)だ。
鈴木はこの日、9回102球、6安打7奪三振、無四死球の完封劇。直球は140キロに満たないものの、スライダー、カーブ、カットボールを低めに集め、相手打線を凡打の山に沈めた。投げ合った相手は、大会屈指の好投手・高部陸投手(聖隷クリストファー)。「いいピッチャーというのは分かっていました。相手に先制点を譲らない気持ちで投げました」と振り返る冷静沈着な投球で、最後まで本塁を踏ませなかった。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 試合中は一切表情を変えないクレバーなピッチング。しかし、ゲームセットの瞬間、鈴木の感情はあふれ出た。「みんなで校歌を歌うことが目標だったので、達成できてうれしかった」。25年ぶりの1勝の重みを、仲間と分かち合った。
そんな鈴木を支えるのが、試合前の欠かせないルーティン。球場へ向かうバスの中で、乃木坂46の「図書室の君へ」を聴くことだ。「球場に近づくにつれて最後に聴く」と決めており、この1曲で気持ちを整え、いつもの自分を取り戻す。推しメンバーは同じ栃木県出身の賀喜遥香さん。TikTokで見かけたことがきっかけでファンになり、部屋にグッズを飾るほどのめり込んでいる。引退後にまずやりたいことは、東京での“聖地巡礼”。グループ名の由来となった乃木坂を訪れる日を楽しみにしている。「認知してくれるだけでもありがたいので、ニュースを見ていただけたらうれしいです」と照れ笑いを浮かべた。
心の支えはアイドルだけではない。父・一平さんは1997年夏、佐野日大の遊撃手として8強入りを経験した先輩OB。幼い頃から甲子園の思い出を聞いて育った鈴木は、「お父さんが立った甲子園で、自分も校歌を歌うことができて非常にうれしいです」と感謝を口にした。
もう1人の恩人が、麦倉洋一監督。実は麦倉監督も、1989年夏に同校初の甲子園で勝利投手となった大先輩だ。その指導で、鈴木は武器である制球力を磨き上げてきた。「コントロールで勝負ができるようになったのは監督さんのおかげです」。コースの投げ分けや変化球を徹底的に教わり、その積み重ねが102球の完封につながった。麦倉監督も「高部君の投球を見て力に変えてくれた」とエースの成長をたたえた。
試合前は乃木坂46の1曲で心を整え、マウンドでは父や恩師への感謝を力に変える。好投手との投げ合いを制した102球には、高校生らしい素顔と、多くの人への思いが詰まっていた。佐野日大の夏は、まだ終わらない。
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