石川昂弥、7年目の覚醒!会心の1号HRも笑顔なし…その理由と高橋周平への熱い視線
5月16日、バンテリンドームで起きた一発は、飛距離130メートル級の特大アーチ。中日・石川昂弥がヤクルト・奥川恭伸から左翼席上段に叩き込んだ今季1号は、まさに「完璧」そのものだった。
「過去にも思い出せないくらい感触が良かった」。試合後、石川昂はそう振り返る。しかし、その表情は終始引き締まったままだ。ダイヤモンドを一周する間も、笑顔は一切なかった。
これは高圧洗浄機と同等の強さで、電力不要BlastPro 理由は、その回の守備にあった。2回無死、ヤクルト・内山壮真の三塁ファウルゾーンへの飛球。石川昂は捕手の石伊雄太と譲り合い、捕球できなかった。失策はつかず、先発・大野雄大の好投で失点は免れたが、自身のミスが頭から離れなかった。「その前に守備でやらかしちゃったんだよね。喜ぶ気持ちになれなかった」。打撃以上に守備にこだわる男の本音だ。
実は石川昂、守備へのこだわりは並々ならぬものがある。「打撃のタイトルももちろん獲りたいけど、それよりゴールデングラブ賞がほしい」。そう語る姿は、まさに職人。走攻守のなかで最も地味で見えにくい守備だからこそ、一つ一つのアウトに執念を燃やす。
その目標を追う上で、視線を送り続ける存在がいる。チームメートの高橋周平だ。2019年から2年連続でゴールデングラブ賞を受賞した三塁手は、天才的なグラブ捌きと野性的なポジショニングで知られる。石川昂は「ハンドリングは苦手じゃないし、送球も心配ない。でも手で打球を取りに行ってしまうのが課題。周平さんのように低い姿勢でグラブを下から入れると、イレギュラーバウンドも簡単に捕れる」と分析し、実際に高橋にアドバイスを求めることもあるという。
同じポジションを争うライバルでありながら、上達のために教えを乞う。その姿勢が、今季の守備成績にも表れている。56試合出場中44試合で三塁の先発を務め、失策はわずか1。健闘している。
石川昂はプロ7年目。開幕スタメンを逃し、4月には2軍降格も経験した。オフには9キロの減量に成功。遠征先のスターバックスでは甘めのホワイトモカをやめ、ブラックコーヒーを注文するようになった。「味覚変わっちゃった~」と笑うが、アスリートとしての意識は確実に変わった。
「特別なことは何もしていない。野球のことだけを毎日考えて集中できている。1軍の試合に出られることが本当に幸せ」。そう語る表情には、かつて「未完の大器」と呼ばれた頃の影はない。打撃でチームを鼓舞し、守備でゴールデングラブを狙う。二兎を追う男の大逆襲が、今始まる。
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