元NFLオバダが現役引退「本当の使命」は里親支援…英出身34歳が新財団設立
NFLで10年間プレーしてきたイギリス人ディフェンシブエンド、エフェ・オバダ(34)が正式に現役引退を発表した。2025年シーズンは所属チームのないまま過ごしていたが、このタイミングで自らの「真の使命」を見つけたという。
引退と同時に、オバダは自身の名前を冠した財団を設立。里親制度のもとで育った11歳から25歳までの若者を支援する活動を始める。「自分が経験してきたことだからこそ、すごく共感できる。障壁や孤独がどんなものか、よく知っている」とBBCスポーツに語った。
デニムに合う。履くだけで「ちょいワル」Tapoon オバダは10歳の時にオランダから人身売買され、ロンドンに置き去りにされた後、10以上の里親家庭を転々とした。そんな過酷な境遇から這い上がり、NFLではキャリア通算で800万ドル(約6億円)以上を稼ぐまでになった。「今の自分には、本当に大切なことに影響を与えられる手段とリソースがある。これこそが人生の目的だと感じている」と話す。
NFLにたどり着くまでの道のりは決して平坦ではなかった。無登録移民だったため大学にも進学できず、現金払いの仕事で食いつなぐ日々。10代の頃は「機能不全と毒性に囲まれ、カオスとサバイバルの毎日だった」と振り返る。しかし22歳の時、倉庫の警備員として働いていた彼は、友人に誘われてアマチュアのアメリカンフットボールチーム「ロンドン・ウォリアーズ」に入団。わずか5試合の経験で、後にスーパーボウル制覇を経験するコーチのアデン・ダーデの支援を得て、ダラス・カウボーイズのトライアウトに挑戦した。
2015年にカウボーイズの練習生となり、その後2018年にカロライナ・パンサーズでNFLデビューを果たすと、初戦でいきなりサック、インターセプト、ファンブルフォースと大暴れ。「これまでのすべての拒絶から溜まっていたフラストレーションが、あの瞬間に爆発した」と当時を振り返る。2019年にロンドンで行われたパンサーズ戦は「友人や家族の前でプレーできて夢が叶った」と語る。
その後はバッファロー・ビルズとワシントン・コマンダースでプレーし、通算80試合に出場、15サックを記録。トム・ブレイディ、アーロン・ロジャース、ドリュー・ブリーズ、マット・スタッフォード、ジェイレン・ハーツらスーパーボウル制覇を経験したQBたちからサックを奪ったが、「マホームズとラマー・ジャクソンだけは獲れなかった。その2人は本当に欲しかったけど、このリストも悪くないだろ?」と笑う。
スーパーボウルには手が届かなかったが、2021年にはマホームズ率いるチーフスとのOTの激闘を経験。2025年にはコマンダースでスーパーボウルまであと1勝に迫った。
自身の過酷な経験を乗り越え、昨年イギリス市民権を取得したオバダ。現在は南ロンドンに戻り、地域プロジェクトへの参加や放送業の仕事を続けながら、財団設立に注力する。「アメリカンフットボールは自分にとっての黄金のチケットであり、人生を変えてくれた。でも、これこそが本当の使命なんだ」
「支援が必要な子供たちに、過去が未来を決めるわけではないと伝えたい。彼らも同じように自分の人生を書き換えられるんだと。どんな夢も叶う可能性がある。当時の自分は夢を見ることさえ怖かった。だから、彼らを助けることができて本当に嬉しい。お金が尽きるまで続けていくよ」と笑顔で語った。
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